アレルゲン28品目とは?食品メーカーが押さえるべき最新の一覧や表示義務化スケジュール
食品の安全性を確保する上で、アレルギー表示の正確性は重要な要素となります。表示の欠落や誤りは、消費者の健康被害に直結するだけでなく、製品回収などの経済的損失やブランド価値の毀損を招く恐れがあるためです。
特に近年は、食物アレルギーの発症動向の変化に合わせて、表示対象となる品目や義務化の範囲が順次見直されています。実務担当者は常に最新の法規制を把握し、適切に対応しなければなりません。
本記事では、現在のアレルゲン28品目の最新リストから、義務化に向けたスケジュール、製造現場や原料調達において取り組むべきリスク管理のポイントを詳しく解説します。
目次
アレルゲン28品目の最新一覧
食物アレルギーを引き起こす可能性があるとして、食品表示法により表示が規定されている品目は、現在合計で28品目となっています。これらは、表示が義務付けられている特定原材料と、表示が推奨されている特定原材料に準ずるものに分類されます。
| 区分 | 品目数 | 対象品目 |
| 特定原材料(義務表示) | 8品目 | えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ |
| 特定原材料に準ずるもの(推奨表示) | 20品目 | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
※2023年の改正により、くるみが特定原材料(義務)へ格上げされました。
※カシューナッツの義務化や、ピスタチオの推奨表示への追加(29品目目)などの最新動向については後述します。
特定原材料(義務表示)8品目
特定原材料とは、症例数が多い、あるいは重篤な症状に繋がる可能性が高いとして、法律で表示が義務付けられている品目です。2023年3月の食品表示基準改正により「くるみ」が加わり、現在は以下の8品目となっています。
- えび
- かに
- 小麦
- そば
- 卵
- 乳
- 落花生(ピーナッツ)
- くるみ
これらの品目が原材料に含まれる場合は、微量であっても必ずラベルに記載しなければなりません。特に新しく追加されたくるみについては、原料規格書の再点検と表示の切り替えを確実に行う必要があります。
特定原材料に準ずるもの(推奨表示)20品目
特定原材料に準ずるものとは、症例数や重篤な症状の頻度が特定原材料に次ぐものであり、可能な限り表示することが推奨されている品目です。現在は以下の20品目が指定されています。
- アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ
- カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ
- さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉
- まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
これらは任意表示の範疇ではありますが、アレルギーを持つ消費者にとっては重要な情報源となります。そのため、多くの食品メーカーでは義務表示品目と同様の厳格な管理を行い、表示を継続する運用が一般的となっています。
なお、品目リストは定期的に見直されており、直近ではカシューナッツの義務化検討や、まつたけの削除検討などの動きがある点に留意が必要です。
アレルギー29品目はいつから?食品メーカーが留意すべき改正スケジュール
アレルギー表示の制度改正には、既存製品のパッケージ在庫などを考慮し、一定の経過措置期間が設けられます。実務担当者は、いつまでに対応を完了させるべきか、期限を把握しておく必要があります。
くるみの完全義務化と経過措置の終了
くるみの表示義務化に伴う経過措置期間は、2025年3月31日をもって終了しています。2025年4月1日以降に製造・加工される製品、または輸入される製品については、くるみを含む場合に必ず義務表示としての対応がなされていなければなりません。
これまでは推奨表示として扱われてきましたが、義務化されたことで未表示による法令違反のリスクが生じています。まだ旧基準のラベルを使用している在庫がないか、社内の管理体制を改めて点検することが大切です。
カシューナッツの表示義務化と措置期間
消費者庁の調査において、カシューナッツによるアレルギー症例数の増加が報告されています。これを受けて、カシューナッツを現在の推奨表示から特定原材料(義務表示)へと格上げする検討が進められています。
正式な決定後は、くるみの際と同様に数年間の経過措置期間が設けられる見通しですが、将来的なラベルの変更は避けられないと言えます。製品リニューアルや新規開発のタイミングに合わせて、あらかじめ管理体制を見直しておきましょう。
ピスタチオの推奨表示への格上げ
木の実類によるアレルギーの発症が増えるなか、ピスタチオについても特定原材料に準ずるもの(推奨表示)への追加が決定しました。これにより、表示対象は現在の28品目から29品目へと拡大することになります。
ピスタチオを原材料に使用している、あるいは同一ラインで製造している場合には、先行してアレルゲン情報の収集を開始し、表示の準備を進めることが推奨されます。
アレルゲン管理における課題と解決策
管理対象となる品目が増えるにつれ、製造現場や品質管理部門での負担は増大しています。以下、意図せぬ混入を防ぐための解決策を詳しく見ていきましょう。
原材料サプライチェーンの透明性確保
アレルゲン管理の精度を高めるためには、自社に納入される原料の情報を把握しなければなりません。主原料だけでなく、二次原料やキャリーオーバー、加工助剤に至るまで、アレルゲンの有無を遡って調査する必要があります。
サプライヤーから提供される規格書が最新の法規に基づいているか、また定期的に情報が更新されているかをチェックする体制を構築することが重要です。
製造ラインにおけるコンタミネーション防止
製造工程において、意図しないアレルゲンが混入するコンタミネーションの防止は、品質管理上の重要な課題です。
物理的なゾーニングが困難な場合には、アレルゲンを含まない製品から順に製造する生産スケジュールの調整や、洗浄工程の効果検証を徹底するのも一つの手段です。
また、同一ラインで複数のアレルゲンを扱う場合には、洗浄後の拭き取り検査などを実施し、管理が適切に行われていることを客観的な数値で確認する運用の検討が望まれます。
正確なラベル表示と情報更新
商品リニューアルや原料変更が行われた際は、アレルゲン情報も速やかに更新しなければなりません。特にOEM製造のように複数の事業者が関与する環境では、情報の伝達が遅れて旧表示のまま出荷されるケースも懸念されます。
定期的に仕入先と最新情報を共有し、表示ラベルと実際の原料構成を照らし合わせることが大切です。デジタル管理を導入し、情報の変更が即座にラベルへ反映される仕組みを構築することも有効な手段となります。
アレルゲンフリー原料への切り替え検討
表示ミスやコンタミネーションのリスクを抜本的に低減させる手段として、製品設計の段階でアレルゲン28品目を含まない原料を選定する戦略も有効です。
特に、特定原材料28品目不使用という付加価値を持つ原料を採用することで、製造ラインの洗浄負担を軽減しつつ、アレルギーに配慮した製品としてブランド価値を高めることができます。
専門商社を活用して法規制へ適応する方法
アレルゲン管理の複雑化に対応するためには、単なる原料の仕入れだけでなく、情報の正確性と安定供給を両立できるパートナーの存在が不可欠です。以下、専門商社を活用するメリットを詳しく見ていきましょう。
最新の法規制情報を得られ、実務上の負担を軽減できる
法改正の動きをいち早くキャッチアップし、それに基づく実務への影響を分析するには多大な時間を要します。永和物産のような専門商社を活用することで、行政の最新動向や業界の対応事例をタイムリーに取得することが可能になります。
情報の収集と整理を外部の専門家に委ねることで、メーカー側の担当者は自社の製品開発や品質管理といった本来の業務に注力できるようになり、実務上の負担が軽減されます。
管理基準を満たした原料を安定的に確保できる
グローバルな調達網を持つ専門商社は、現地の製造工程においてアレルゲン管理が適切になされているかを直接監査する役割も担っています。
永和物産では、サプライヤーとの強固な信頼関係に基づき、アレルゲン情報の透明性が担保された原料を継続的に供給する体制を整えています。
国内外の複雑なサプライチェーンを適切に管理し、エビデンスの整った原料を確保し続けることは、製品の安定生産において大きな安心材料となるでしょう。
開発段階からアレルゲン配慮型の代替案を提案してもらえる
特定のアレルゲンを排除した製品を開発したいというニーズに対し、既存の原料と同等の機能や風味を持つ代替素材を提案できるのも、商社ならではの強みです。
例えば、乳製品や卵を使わずにコクを出す素材や、小麦の代替となる穀物原料など、多種多様な商材の中から最適な案を提示することが可能です。
開発の初期段階から専門的な知見を持つ商社と連携することで、製品化までのスピード感を高め、市場のニーズに合致したアレルゲン配慮型製品の実現が期待できます。
まとめ
食物アレルギーの発症動向は常に変化しており、今後も対象品目の追加や区分の見直しが継続的に行われると予想されます。
表示ミスによる回収リスクを抑えつつ、複雑化する法規制に柔軟に対応していくためには、正確な原料情報の管理とトレーサビリティの確保が不可欠です。
永和物産では、世界各地の調達網を活かした原料の安定供給に加え、最新の法改正に基づいた証明書の管理や表示のアドバイスなど、アレルゲン管理のトータルサポートを行っています。
より確実かつ効率的に最新の食品表示制度へ対応したいとお考えの場合は、ぜひ永和物産へご相談ください。専門のスタッフが、お客様の製品実態に合わせた最適な原料提案と実務支援を実施いたします。
永和物産に関する
お問い合わせはこちら



