ハラール認証とは?メリット・取得方法・原料選定のポイントを解説

ハラール認証とは?メリット・取得方法・原料選定のポイントを解説

ハラール認証とは、製品やサービスがイスラム法に適合していることを証明する制度です。日本でも、市場のグローバル化が進むにつれ関心が高まりつつあり、対応を検討している企業も増えているようです。

イスラム市場への輸出やインバウンド対応を目指すなら、ハラール認証についても知っておく必要があります。

この記事では、ハラール認証について、日本の食品メーカー向けに取得条件やメリット、具体的なプロセス、ハラール商品の原料選定のポイントなどを分かりやすく解説します。

ハラール認証とは?

イスラム法において、人々が日常生活で行うこと(飲食、行動など)は、「ハラール(Halal)」と「ハラーム(Haram)」の2つに大別されます。

  • ハラール(Halal):アラビア語で「許された」「合法的な」という意味。イスラム法において、ムスリムが飲食・使用することが許されているものを指します。
  • ハラーム(Haram):アラビア語で「禁じられた」「違法な」という意味。飲食・使用が禁じられているものを指します。

食品における代表的なハラームは、以下の通りです。

  • 豚および豚由来の全ての製品(肉、ラード、ゼラチン、ポークエキスなど)
  • イスラム法に則って屠畜されなかった食肉
  • アルコール飲料および食品に使用されるアルコール
  • 血液
  • その他、牙のある動物やかぎ爪のある鳥類など

そして、ハラール認証とは、製品やサービスがイスラム法に適合していることを、宗教的知識と食品衛生の専門知識を持つ第三者機関が審査し、客観的に保証する制度です。

認証を取得した製品には認証マークが付与され、ムスリムの消費者は自ら成分を調べることなく、安心して選べる製品と判断できます。

ハラール認証を取得するメリット

ここでは、ハラール認証を取得することで、企業の成長戦略においてどのようなメリットをもたらすのかを整理していきましょう。

1. イスラム市場への輸出拡大

ハラール認証を取得することで、世界に約20億人存在するといわれるムスリム市場に対して、自社製品の安全性と信頼性を明確にアピールできます。

宗教的な背景から、消費者は成分や製造工程を重視しますが、認証という客観的な指標があることで、安心して手に取ってもらえるようになります。言葉の壁がある海外市場においても、ロゴ一つで品質を証明できる点は大きな強みです。

また、認証があることで現地企業の信頼を得やすくなり、新しい販路の開拓やパートナーシップの構築がスムーズに進む可能性が高まります。これまで参入が難しかった国々への輸出が現実的になり、ビジネスの幅を大きく広げるきっかけになるでしょう。

2. インバウンド需要への対応

インバウンド需要に対応できる点も、ハラール認証の取得メリットの一つです。パッケージにハラール認証を表示するだけで、ムスリムの消費者が原材料を細かく確認する手間が無くなります。

認証マークという共通の基準があることで、言葉が通じない海外の方でも、商品の安全性を瞬時に判断して手に取ることができます。

また、認証を受けた商品は、観光地の売店や免税店といった多様な販路で取り扱いやすくなります。ムスリムの方々が旅先で安心して購入できる商品として認知されれば、SNSや口コミを通じて評判が広がり、インバウンド需要による売上の底上げにも繋がるでしょう。

3. 国内在住ムスリムへのアプローチ

ハラール対応は、海外や観光客だけのものではありません。近年、留学生や労働者として日本に在住するムスリムの人口は増加傾向にありますが、彼らが日々の買い物で安心して選べる食品は、まだ限られているのが現状です。

そのため、ハラール認証は、国内在住ムスリムにとっても重要な商品選択の基準です。認証を取得することで、リピート購入に繋がりやすい、ロイヤリティの高い顧客層を新たに獲得することができます。

4. 企業の信頼性・ブランドイメージ向上

ハラール認証の取得は、企業の信頼性を客観的に示すことができます。ハラール認証の価値は、単に宗教的な規律を守っている点だけではありません。審査では、原材料から製造工程まで、極めて厳格な衛生管理とトレーサビリティが求められます。

こうした基準をクリアしていることは、食の安全に対する真摯な姿勢の証明となり、ムスリムをはじめ幅広い消費者から信頼される企業としてのブランドイメージ向上につながるでしょう。

ハラール認証の取得方法

日本国内でハラール認証を取得する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 認証機関の選定
  2. 申請書類の提出
  3. 書類審査
  4. 実地監査
  5. 認証取得・証明書発行

注意点や課題と合わせて、詳しく見ていきましょう。

認証機関の選定

認証機関を選ぶ際に重要なのは、自社がターゲットとする輸出先の国で、ハラール認証が有効かどうかを確認することです。これを「相互認証」と呼びますが、この確認を怠ると、せっかく認証を取得しても輸出先で通用しないという事態になりかねません。

例えば、マレーシアやインドネシア、UAEといった国々は、それぞれ日本国内の認証団体を指定しています。代表的な団体として、宗教法人日本ムスリム協会やNPO法人日本ハラール協会などがありますが、どの団体がどの国と相互認証を結んでいるかは、常に最新の情報を確認する必要があります。

まずはターゲット市場を定め、その国が承認している日本の認証機関はどこかを、日本貿易振興機構(JETRO)のウェブサイトなどで確認することから始めましょう。

申請書類の提出

選定した認証機関の規定に従い、申請書類を提出します。一般的に、以下のような書類が必要です。

  • 申請書
  • 会社の登記簿謄本
  • 製造工場の図面
  • 使用する全ての原材料の仕様書・規格書
  • 製造工程フローチャート
  • 品質管理・衛生管理マニュアル

書類審査

提出された書類を基に、認証機関が審査を行います。原材料にハラームなものが含まれていないか、製造工程でハラーム物質との交差汚染が起こるリスクがないか、などが厳しくチェックされます。

実地監査

書類審査を通過すると、次は認証機関の審査員が実際に製造工場を訪れる実地監査です。監査では、申請書類通りの管理体制が現場で実行されているかがチェックされます。

  • 原材料の受け入れ・保管状況
  • 製造ラインの清浄度、ハラール専用ラインの区分管理
  • 従業員へのハラール教育の実施状況
  • 製品のトレーサビリティ管理

など、多岐にわたる項目が現場の隅々まで厳しく監査されます。

認証取得・証明書発行

実地監査で問題がないと判断されると、晴れてハラール認証が取得でき、証明書が発行されます。これにより、認証マークを製品パッケージやウェブサイトに表示できるようになるのです。

ただし、認証は一度取得すれば終わりではありません。多くの場合、1年ごとの更新審査や定期的な監査が行われ、認証基準が継続的に維持されているかがチェックされます。

ハラール認証の取得費用の目安

認証取得には申請料・審査料・監査料・更新料などの費用が発生します。飲食店では数万円から十数万円程度、食品加工工場では数十万円程度が目安とされていますが、認証機関・工場の規模・対象製品数によって大きく幅があります。

費用だけでなく、取得後の継続的な管理業務(書類更新・監査対応・従業員教育など)を担う社内体制の整備も必要となるため、導入前に運用コストも含めた現実的なシミュレーションを行うことが重要です。

ハラール商品の原料選定のポイント

ハラール認証の取得を前提とした商品開発を検討する場合は、目指す製品のコンセプトと認証レベルに合わせて、原料選定の段階から戦略的に進めることが肝要です。

1. サプライヤーのハラール対応体制を確認する

ハラール商品の原料を選定する際は、まずサプライヤーがハラール対応に適した体制を整えているかを確認しましょう。

ハラール認証には施設認証やライン認証など複数の種類があり、サプライヤーが取得している認証の種類によって、対応できる範囲や管理基準が異なります。

認証書の有効期限や製造ラインでの交差汚染防止策なども含め、自社の認証要件を満たせるサプライヤーを事前にしっかり確認した上で選定しましょう。

2. 認証済み原料を積極的に活用する

最終製品の認証取得をスムーズに進めるための効率的かつ確実な方法は、既にハラール認証を取得している原料を仕入れることです。認証済み原料を使用すれば、原料に関する複雑な証明書類の準備が不要となり、認証審査のプロセスを大幅に簡略化できます。

ただし、認証の種類や発行機関によって基準が異なる場合もあります。自社が取得を目指す認証の要件と照らし合わせながら、適切な認証済み原料を選ぶようにしましょう。

永和物産では、このような認証取得済みの原料を多数取り扱っており、お客様の製品開発をサポートします。

3. 書類(仕様書・証明書)が整備されているか

書類の整備状況を確認することも、ハラール商品の原料選定において重要なポイントです。 仕様書や証明書の内容が不十分だと、認証審査の際に追加書類の提出を求められるなど、手続きが煩雑になることがあります。

原料の成分・製造工程・認証情報が明確に記載された書類が揃っているか、有効期限や発行機関まで含めて一括で事前に確認しておくと安心です。

まとめ

グローバルな食品市場での競争力を高めるために、ハラール認証の取得は有効な手段です。認証取得を目指すのであれば、原材料の選定段階からハラール対応を意識することが重要です。

認証取得をスムーズに進めるには、原材料の段階からハラール対応を整えておくことが重要です。

永和物産では、ハラール認証取得済みの原料を多数取り扱っています。認証済み原料を活用することで、書類準備や審査プロセスをスムーズに進めることができます。イスラム市場への展開を検討されている方は、ぜひ永和物産の原料ラインナップをご確認ください。

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