動物エキスとは?種類や活用事例を食品担当者向けに解説

動物エキスとは?種類や活用事例を食品担当者向けに解説

動物エキスは、スープやたれに深いコクと旨味を与え、製品の味の土台をつくる天然の調味素材です。

しかし、動物エキスといっても牛・鶏・豚・魚介といった種類の違いや、同じ動物エキスでも部位や製法によって風味が全く異なるため、その選定には専門的な知識が必要となります。

この記事では、動物エキスの基礎知識から、種類別の特徴、具体的な活用事例、そして原料選定における重要なポイントまで、専門的な視点から網羅的に解説していきます。

動物エキスの基本知識

動物エキスは、肉や骨、魚介といった動物性の原料から、有効成分である旨味や風味を抽出し、濃縮したものです。

昆布や椎茸だしのすっきりとした旨味と違い、動物エキスにはアミノ酸やペプチドがもたらす、より複雑で、奥行きのあるコクと素材特有の風味があります。

ラーメンのスープやカレーのベースを想像するとわかりやすいかもしれません。食品の味の土台となる、力強い味わいを作り出すための基本の調味料といえるでしょう。

動物エキスの種類

動物エキスは、原料に応じて風味や用途が大きく異なります。ここでは、牛・鶏・豚・魚介の4つのエキスについて、それぞれの特徴を紹介します。

牛由来のエキス

牛肉や牛骨から抽出して作られるエキスです。ロースト感のある香ばしい風味と、濃厚で重厚なコクが特徴です。

カレーやシチュー、洋風スープ、デミグラスソースなど、長時間煮込むような料理のベースに最適です。味に奥行きと満足感のある力強さを与えてくれます。

一般的に、「ビーフエキス」や「牛エキス」という名称で流通しており、骨を主原料にしたものは、よりスープ感の強い「牛骨エキス」として区別されることもあります。

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鶏由来のエキス

鶏肉や鶏ガラを原料とするエキスは、クセが少なく、すっきりとしていながらも、しっかりとした旨味をもつ万能型のエキスです。

和洋中問わず、あらゆる料理のベースとして活用でき、他の素材の邪魔をしません。「チキンエキス」や「鶏エキス」といった名称で、ラーメンスープから洋風ポタージュ、中華系の炒め物の素まで、非常に幅広い製品で味の土台を支えています。

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豚由来のエキス

豚肉や豚骨から抽出されるエキスで、まろやかな甘みと奥行きのある風味が特徴です。「ポークエキス」や「豚エキス」という名称で知られ、特に長時間煮出した豚骨エキスは、独特のクリーミーな風味と香りを持ち、本格的な豚骨ラーメンのスープには欠かせません。

その他、中華系のスープや、餃子・焼売といった加工品の隠し味としても、深みのある味わいを加えるのに役立ちます。

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魚介由来のエキス

魚、貝、甲殻類など海産物から抽出されるエキスで、和風だしや海鮮系の製品に、本格的な風味と旨味を与える上で不可欠な素材です。乾物や発酵原料由来の深い旨味も、魚介由来のエキスならではの特徴といえるでしょう。

「フィッシュエキス」という総称のほか、「かつおエキス」「いわしエキス」「ホタテエキス」のように、特定の素材名を冠して、その特徴的な風味をダイレクトに活かす形で使用されることが多く、その種類は多岐にわたります。

動物エキスの食品業界での活用事例

動物エキスは、味のベースづくりだけでなく、品質の安定化や製造効率の向上などの目的で、幅広いカテゴリーの加工食品で活躍しています。以下、具体的な活用例を見ていきましょう。

スープ・たれ類での活用

ラーメンスープ、鍋つゆ、洋風スープなど、液体調味料の土台として広く活用されています。エキスを活用することで、厨房で長時間スープを炊き出すことなく、安定した品質のベースを、効率的に製造することが可能です。

焼き肉のタレやすき焼きの割り下などにも、肉の風味を補強する目的で利用されます。

加工食品・冷凍食品への応用

レトルトカレーやパスタソース、ハンバーグ、炊き込みご飯の素といった、家庭用・業務用の加工食品においても、風味の補強や全体の味をまとめるコク付けとして活用されます。

エキスを少量加えるだけで、まるで長時間煮込んだかのような、本格的なコクと深みを手軽にプラス。家庭では出せない専門店の味を演出し、製品全体の満足度を高める上で、欠かせない素材といえるでしょう。

菓子・スナック系食品への活用

ポテトチップスや、スープ味のせんべいなど、塩味系スナックの風味付けも、代表的な用途の一つです。

特に、シーズニングとして混ぜ込みやすい粉末タイプのエキスは、コンソメやビーフといった、複雑な風味を手軽に作り出す上で重宝されています。

動物エキスを仕入れる際の選び方

製品のコンセプトに最適な動物のエキスを選定するためには、いくつかの重要なポイントがあります。商社や原料メーカーと連携し、多角的な視点で選ぶことが重要です。

原材料・部位・産地の確認

動物エキスを選ぶ際は、牛・豚・鶏・魚介などの原料の違いだけでなく、「どの部位(肉か骨か)」や「どの産地(国産か海外産か)」といった、より詳細な情報にも注意を払う必要があります。

たとえば、同じビーフエキスという名前でも、部位や産地が違えば、風味の方向性やコスト、最終製品での表示内容は大きく異なるのです。

自社製品のコンセプトに合わせて、どのような原料から作られたエキスなのかを、必ず確認しましょう。

風味や濃縮度などのスペック

エキスは、熱水抽出や酵素分解などの抽出方法や、濃度によっても風味や質感に差が出ます。また、形状もペースト状や粉末状、液体状など様々であり、料理の種類や、風味の方向性に応じて選ぶ必要があります。

実際の製品に使用した際に、どのような風味になるかを確かめるためにも、複数のエキスを取り寄せ、試作と官能評価を繰り返すことが重要です。

食品表示やアレルゲンへの対応

最終製品の原材料表示にどのように記載する必要があるのか、また、アレルギー表示義務のある品目に該当するかどうかなどは、事前に確認が必要です。

また、ハラル認証やコーシャ認証など、特定の市場への展開を考えている場合は、エキス自体がその認証を取得しているかどうかも、重要な選定基準となります。

商社に相談するメリット

自社だけで数あるエキスから、最適な一つを探し出すのは、非常に困難な作業です。そんなときは商社に相談するのも一つの方法です。

専門商社に相談すれば、複数メーカーの製品を横断的に比較し、中立的な立場から、貴社の製品コンセプトに最も合った原料を提案してもらえます。

風味やコスト、表示要件といった複雑な条件を、一つの窓口で同時に検討できるのが、商社を活用する最大のメリットといえるでしょう。

まとめ

動物エキスは、食品に本格的な風味と、満足感のあるコクや旨味を与える、味づくりにおいて重要な素材です。

牛・鶏・豚・魚介といった原料の違いや、製法・スペックによる風味の差を理解し、製品のコンセプトに応じて最適なエキスを的確に選定することが、開発の成功につながります。

永和物産では、多様な動物エキスの中から、味・コストのバランスに配慮したご提案が可能です。製品設計や素材選定にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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