チキンエキスとは?基礎知識から食品業界での活用、選び方まで解説

チキンエキスとは?基礎知識から食品業界での活用、選び方まで解説

食品メーカーや食品工場で扱う製品の味わいは、いくつもの要素によって左右されますが、その中でも「チキンエキス」は旨味を補強する要として欠かせない調味料の一つです。

スープや調味料のベースとして幅広く使われていますが、その定義や製造方法、他の鶏由来調味料との違いを正しく理解しているでしょうか。チキンエキスの特徴を深く理解することで、より優れた加工食品や業務用調味料の開発が可能になります。

本記事では、チキンエキスの基礎知識から製造方法ごとの特徴、食品業界での具体的な活用事例、さらに仕入れ時の選定方法までをプロの視点で解説します。自社製品に最適なチキンエキスを選ぶ際の参考にしてください。

チキンエキスとは?

チキンエキスとは、鶏肉や鶏がら(鶏骨)から旨味成分を抽出し濃縮した調味料のことです。「だし」や「スープ」としての役割を担い、製品に鶏の旨味を手軽に取り入れることができます。

ほかの鶏由来調味料と比べると、食塩や香辛料を添加しない場合が多いため、製造段階で味の微調整がしやすい点も特徴です。

チキンエキスの基礎知識

チキンエキスは鶏由来のエキス調味料として、原料に応じて大きく鶏肉由来の「チキンミートエキス」と、鶏骨由来の「チキンボーンエキス」に分類されます。

使用する部位や原料肉の鮮度、鶏の品種や年齢などによって、得られるエキスの風味に違いが生じます。

一般に新鮮な原料から抽出されたエキスほど臭みが少なく澄んだ旨味が得られ、成熟した鶏の骨などを使うとコクのある濃い風味になります。また、採卵目的の鶏を原料に含む場合、未成熟卵(体内の卵)が混入して卵由来のアレルゲンがエキス中に含まれてしまう可能性があるため注意が必要です。

抽出した鶏のエキス分は、製造過程で残りかす(固形の残渣)や多量の脂肪分を取り除き、用途に応じて濃縮してペースト状や粉末状の製品に仕上げられます。仕上がったチキンエキスは黄金色の液体やペースト状をしており、鶏の持つ旨味が凝縮されています。

味覚を構成する塩味・旨味・コク味などのバランスが良いのも特長で、和洋中いずれの料理にも合わせやすいため、ベース調味料として汎用性が高い素材です。

チキンエキスと他の鶏由来調味料との違い

一般的な鶏ガラスープの素や中華だしは、チキンエキスに加えて塩やアミノ酸調味料、香辛料などが使われているため、すでに味が整えられています。逆にチキンエキスそのものは、添加物が少ないものが多いため味の自由度が高く、幅広いレシピに応用しやすいです。

また、コンソメには牛肉や野菜のエキスが含まれている場合があるため、鶏由来成分だけに頼った味わいを求める際には、チキンエキスの方が使いやすいと言えます。

チキンエキスの製造方法と特徴

チキンエキスの品質は、原材料の新鮮さだけでなく製造方法によっても大きく左右されます。常圧で抽出するか、高圧や酵素分解を用いるか、といった工程の違いでエキスの収率や風味、香りが変化するためです。

ここでは主な製造方法の種類と、そのメリット・デメリットを整理します。

チキンエキスの主な製造方法

チキンエキスの主な製造方法は、以下の3つです。

常圧抽出

圧力をかけずに水とともに鶏骨・鶏肉をじっくり煮込み、エキスを取り出す方法です。温度は100℃前後が多く、長時間の加熱によって鶏の旨味をゆっくりと引き出します。抽出効率は低めですが、雑味が出にくく、澄んだ上品な風味に仕上げやすい点がメリットです。

加圧抽出

圧力鍋やオートクレーブを使い、高圧高温状態で短時間にエキスを煮出す方法です。常圧抽出に比べて抽出効率が高まるため、大量生産には向いています。しかし、高温での加熱臭やえぐみが出やすいことから、風味のバランスを保つには温度や時間管理が重要になります。

酵素分解抽出

タンパク質分解酵素(プロテアーゼなど)を加えて、鶏肉の構造を分解させながらエキスを抽出する方法です。低温下でも効率よく旨味成分を引き出せるのが大きな特徴で、熱による風味の損失が比較的少ないとされています。

酵素処理を行うためコストはかかりますが、深いコクや強い旨味を得やすい点がメリットです。ただし、やり方を誤ると苦味や異臭が発生するリスクもあるため注意が必要です。

製造方法による品質の違い

上記をまとめると、常圧抽出は鶏の澄んだ風味を活かしたい場面に適しており、和食や上品なスープなど繊細な味わいを求める際に用いられます。

加圧抽出は抽出量が多く効率的ですが、やや煮詰まった風味になりやすい傾向があります。酵素分解抽出は深いコクや肉感の強い味わいが欲しいときに有効ですが、酵素の種類や処理条件で大きく風味が左右されます。

実際にはこれらの手法を組み合わせて抽出し、最終的にブレンドして製品化する事例も多いです。たとえば、まず常圧抽出で香りを重視したエキスを作り、残りかすを別途加圧処理してさらに旨味を回収し、両方を合わせて風味と収率のバランスを取るといった方法が挙げられます。

チキンエキスの用途と食品業界での活用

チキンエキスは「万能調味料」と呼ばれるほど多用途に使われます。鶏の旨味を効率よく取り込むことが可能で、和洋中を問わず様々な食品で活躍しています。

ここでは大まかに「スープ」「加工食品」「業務用調味料」の3分野に分けて、その活用例を見ていきましょう。

1. 各種スープ

ラーメンスープ、スープカレー、シチューのベースなど、だし的な役割を担う使用例が代表的です。お湯で溶かすだけで鶏出汁の風味が得られるため、大量調理にも対応しやすく、外食産業やセントラルキッチンでも重宝されています。

飲食店が独自のスープを作る際も、チキンエキスをベースとして複数のエキスや香味野菜を加えれば、短時間で深みのある味わいを作ることができます。和風の鍋つゆや洋風ブイヨン、中華スープなど、あらゆるジャンルと相性が良いのが魅力です。

2. 加工食品

レトルト食品や冷凍食品、インスタントラーメン、スナック菓子など、幅広い加工食品にもチキンエキスが使われています。少量加えるだけでも鶏のコクが立ち上がり、味の厚みを増す効果が期待できるため、コストパフォーマンスの面でも優れた素材です。

たとえば、レトルトカレーやシチュー、炒め物の素にはビーフやポークなど他の動物性エキスと併用されることがあり、複雑な旨味を出すために活用されています。また、無塩タイプのチキンエキスなら、最終的な塩分量を抑えたいレシピにも上手く組み込めます。

また近年は、人件費・光熱費・工場の賃料が高騰しており、原料から長時間かけてだしを取る従来の製法はコスト面で大きな負担になりつつあります。

完成品としてのチキンエキスを導入すれば、抽出工程に掛かる燃料や人件費を大幅に削減でき、そこで浮いたリソースを新商品の開発や生産ラインの効率化に回すことも可能です。

3. 業務用調味料

顆粒のスープの素や液体だし、濃縮スープベースなど、業務用の調味料にはチキンエキスが欠かせません。飲食店や給食センターで扱いやすいよう、粉末やペースト、フローズン形態などに加工された製品が多く流通しています。

複数のチキンエキスをブレンドし、そこに野菜エキスや香辛料を加えて「ラーメンスープ専用」「カレー専用」のように特化型の業務用調味料を作るケースもあります。チキンエキスの持つ汎用性の高さが、こうしたバリエーション展開を容易にしています。

チキンエキスの選び方

一口に「チキンエキス」と言っても、原料の種類や製造方法、濃縮度、添加物の有無などによって風味や機能、価格が大きく変わります。

自社製品に適したチキンエキスを選ぶために、押さえておきたいポイントを整理してみましょう。

1. 原材料

使われている鶏肉の種類(国産か海外産か、ブロイラーか経産鶏かなど)や鶏がらの割合によって、味わいが異なります。

国産銘柄鶏(比内地鶏、名古屋コーチンなど)は独特の香りとコクを持つ反面、価格が高くなる場合があります。海外産原料は安定供給を得やすい一方、鶏の飼育環境や品質管理のレベルに差があることが懸念点です。

また、骨が多いとコラーゲンやゼラチン質由来の濃厚なコクが出やすく、肉が中心だとすっきりした旨味になりがちです。開発したい製品のコンセプトに合わせて、望ましい風味を実現できる原料構成を見極める必要があります。

2. 鮮度

鶏肉や鶏がらの鮮度が高い状態でエキスを抽出すれば、雑味が少なく上品な風味を得られます。原料が古くなると酸化臭や獣臭が強まり、抽出後に脱臭工程を必要とすることもあるため、結果として旨味成分まで損なわれる可能性が高くなります。

完成したチキンエキス自体の保存性も重要です。粉末タイプは常温流通がしやすい一方、ペーストや液体、フローズンタイプは要冷蔵・要冷凍になるものが大半で、在庫管理コストも変わります。

工場のラインでどの形態が使いやすいか、賞味期限はどの程度か、そうした部分も鮮度と併せて確認しましょう。

3. 添加物の有無

チキンエキスそのものに塩分や調味料(アミノ酸など)が含まれている場合、味付けが楽になる反面、自由に味を作る余地が狭まります。

無塩・無添加のタイプであれば、スープベースやソースを作る段階で塩分や香辛料を細かく調整可能です。

一方、保存料の有無もチェックしていきたいポイントになります。長期保存を重視するなら保存料入りも検討せざるを得ない場面がありますが、クリーンラベルや無添加志向の製品を目指すなら慎重な判断が必要です。

4. 認証状況

調達するチキンエキスが各種認証を取得しているかも信頼性の指標となります。例えば、食品安全マネジメントの「ISO22000」や「FSSC22000」の認証を取得している業者であれば、衛生管理や品質管理が国際基準で行われている安心感があります。

認証は品質そのものを確実に保証するものではありませんが、客観的な信頼性の裏付けとして重視すべきポイントです。

食品業界では品質事故を最小化するための仕組みが求められるため、こうした認証の有無や生産工場の管理体制は見逃せません。

5. 供給の安定性

需要が高まる一方で、原料となる鶏肉や鶏がらは相場変動の影響を受けやすい側面があります。飼料価格や世界情勢によっては供給が不安定になるリスクも否めません。そのため、年間を通じて安定供給できる業者を選ぶことが重要です。

自社製品の生産量に合わせて安定的にチキンエキスを確保できるかどうかや、在庫管理・納期対応の柔軟さについても事前に確認しておきましょう。

6. 価格変動の有無

鶏肉の市場価格は年々変動しており、それに伴いチキンエキスの価格も上下する可能性があります。

そこでエキスの濃縮度が高い製品を選ぶと、輸送量や保管スペースの削減に繋がるため、総合的なコストを圧縮することが期待できます。単純に「単価が安いから」という理由だけで選ばず、年間を通じたコストパフォーマンスを比較検討することが必要です。

なお、繰り返しになりますが、原料から煮出す工程をエキス化することで各種コストを削減でき、総コストの平準化にも繋がります。変動費を抑えながら安定した味づくりを実現できるの点がエキスの良さです。

まとめ

チキンエキスは食品業界で欠かせない旨味の要ですが、その定義から製造方法、活用法に至るまで正しい知識を持って選ぶことが重要です。

原料や抽出法の違いによる風味の差、供給面や価格面での留意点など、総合的に判断して自社製品に最適なチキンエキスを見極めることで、製品の味わいと品質を安定して向上させることができます。

もしチキンエキス選びに迷ったら、信頼できる専門メーカーの製品を検討してみるのも一つの方法です。例えば、永和物産の「フローズンチキンブロス 3823」は、鶏の旨味を凝縮した無塩・無添加のチキンエキスで、チルド食品から外食用スープまで様々な用途に対応できる汎用性の高さが特長です。

こうした高品質なチキンエキスを上手く活用し、自社の商品開発に役立ててください。正しい知識と適切なパートナー選びによって、より魅力的な食品づくりを実現していきましょう。

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