野菜エキスとは?種類や活用例、選定ポイントを食品業界向けに解説

野菜エキスとは?種類や活用例、選定ポイントを食品業界向けに解説

野菜エキスは、クリーンラベル化や自然派志向の高まりとともに注目を集める食品素材です。

この記事では、野菜エキスの基礎知識や製造方法、製品選定のポイントなどを、食品業界向けに紹介します。自社製品に最適な野菜エキスを選ぶ際の参考にしてください。

野菜エキスとは?

野菜エキスとは、野菜を主原料に、熱水や酵素などで有効成分を抽出し、濃縮加工した調味素材です。旨味や甘味、香りなどの風味成分が凝縮されており、料理に深みとコクを与えることができます。

食品添加物とは異なり、食品そのものとして扱えるため、化学調味料無添加やクリーンラベル対応の商品設計にも適しています。スープやソース、加工食品など、さまざまな分野で活用される素材です。

野菜エキスの種類

野菜エキスには、具体的に以下のような種類があり、それぞれ異なる風味や用途に応じて使い分けられています。

  • 玉ねぎ(オニオン)エキス
  • 人参(キャロット)エキス
  • キャベツエキス
  • セロリエキス
  • 白菜エキス

単体で使用するほか、複数の種類をブレンドしたエキスもあり、より複雑で奥行きのある風味を構成できます。野菜エキスを使った食品開発では、目的やターゲット層に応じた組み合わせが重要です。

他の野菜系素材との違い

野菜エキスは、野菜を抽出して得られる可溶性成分を濃縮したもので、クリアな味わいと扱いやすさが特徴です。

一方で、野菜パウダーやペースト、野菜ブイヨンなどは、製法や形状、風味の出方が異なるため、最終製品の目的に応じて使い分ける必要があります。以下に各素材の違いを表に整理したので、参考にしてください。

素材 製法 形状 風味特性 主な用途
野菜エキス 熱水抽出、酵素分解など 液体、ペースト、粉末 ・クリアで雑味が少ない

・うま味が強い

スープ、ソース、調味料のベース
野菜パウダー 乾燥後に粉砕 粉末 ・素材感あり

・食物繊維を含む

スナック、粉末スープ、色味付けなど
野菜ペースト すり潰し加工 ペースト状 ・繊維感あり

・濃厚で生っぽい風味

ソース類、ディップ、調理ベース
野菜ブイヨン/だし 野菜や香味野菜の煮出し液 液体または固形 ・風味のバランスが良い

・洋風寄りの味

洋風スープ、煮込み料理

野菜エキスの製造方法

野菜エキスは、原料野菜の持つ旨味や香りを抽出し、食品原料として活用するために、いくつかの工程を経て製造されます。ここでは、野菜エキスの抽出方法や製造過程を紹介します。

抽出方法

野菜エキスの製造は、まず原料となる野菜から風味成分を取り出す抽出工程から始まります。主な方法は、常圧抽出、加圧抽出、酵素分解抽出の3つです。

常圧抽出は素材を加熱して成分を引き出す方法です。比較的低温かつ時間をかけて行われるため、野菜本来の風味や香りを損なわずに抽出できます。

酵素分解抽出は、野菜に含まれるセルロースやペクチンなどを分解する酵素を用いて成分を取り出す方法です。通常の加熱だけでは得られにくい深層部の成分まで抽出可能となり、収率や機能性に優れたエキスが得られます。

抽出方法の選定によって、得られる風味の強さや香り、収率、色調に違いが生じるため、使用目的や原料の種類に応じて最適な方法が選ばれます。

なお、近年は人件費・光熱費・工場賃料の高騰により、野菜を長時間煮込んで自社抽出する工程コストが急増しています。抽出済みの野菜エキスを活用すれば、大幅なコストカットを実現できます。

濃縮・殺菌・乾燥工程

抽出された野菜エキスは、そのままでは水分量が多いため、濃縮工程によって液体やペースト状に加工されます。真空濃縮などの手法を用いることで、風味を損なわずに濃度を高めることが可能です。

続いて加熱による殺菌処理が施され、微生物の繁殖を抑えた安全な製品となります。粉末状の製品として仕上げる場合には、スプレードライや真空乾燥などの技術を用い、保存性と汎用性に優れたエキスパウダーへと加工されます。

野菜エキスの食品業界での活用例

ここでは、野菜エキスが食品業界の様々な分野でどのように活用され、製品の価値向上に貢献しているかを具体的な例とともに紹介していきます。

1. スープ・ソース類

スープやソースは、野菜エキスの持つ旨味や甘味、香味を最大限に活かせる分野です。たとえば、コンソメスープやポタージュ、ラーメン用のスープベースに加えることで、野菜を長時間煮込んだような奥行きのある味わいを手軽に再現できます。

【スープ・ソース類の活用例】

コンソメスープ、ポタージュ、ラーメンスープ、カレー、シチュー、各種ソース(ミートソース、デミグラスソース、ホワイトソースなど)、たれ・つゆなどのベースなど

2. 加工食品

加工食品においても、野菜エキスは味のベース作りやコクの強化に活用されます。調理工程を簡略化しつつ、手作り感を出すことが求められる製品では、短時間で自然な風味を再現できる点が強みです。

また、塩味の低減や野菜使用感の訴求としても活用され、ヘルスケアや高齢者向け食品にも対応可能です。

【加工食品の活用例】

レトルト食品、冷凍食品、惣菜、練り製品、ハム・ソーセージ、ベビーフード、介護食、健康食品など

3. 調味料・シーズニング

調味料やシーズニングでは、野菜エキスが複雑な風味のバランスを整える要として活用されています。

粉末だしや液体調味料、ドレッシング、マヨネーズなどに加えることで、自然なうま味と深みを演出。製品の風味の完成度を高め、消費者の満足度向上につながっています。

【調味料・シーズニングの活用例】

粉末・液体調味料、ドレッシング、マヨネーズ、シーズニング(スナック菓子用など)

野菜エキスの選定ポイント

野菜エキスを導入する際は、目的や用途に適した製品を選定することが重要です。以下で、野菜エキスの選定ポイントを見ていきましょう。

1. 原料(野菜の種類、産地)

野菜のエキスの風味や品質は、原料である野菜の種類や産地によって異なります。

たとえば、玉ねぎや人参、セロリなどの単一野菜のエキスは風味の個性が明確で、味づくりの方向性に合わせやすいです。一方、複数の野菜をブレンドしたエキスはバランスの取れた風味を形成できます。

また、国産・輸入原料の違いによっても、香りや価格、安心感に差が出るため、開発コンセプトやコスト要件を考慮して選定しましょう。

2. 形状(液体、ペースト、パウダー)

野菜エキスの形状は、用途や製造工程に適したものを選びましょう。

液体タイプはスープやたれなどの液体系製品との相性が良く、ペーストタイプは粘度があるためソース類や練り製品に向いています。一方で、粉末タイプはシーズニングや乾燥食品、即席スープなどに幅広く対応でき、取り扱いや保管も容易です。

形状の違いは味の出方や風味の広がり方にも影響を与えるため、使用目的に合致したものを選ぶことが大切です。

3. 風味・品質

同じ野菜エキスでも、製造方法や原料によって風味や品質が異なります。たとえば、強い加熱で抽出されたエキスはコクが強くなる一方、香りの揮発や色調変化が起きやすくなります。

そのため、スペックや理化学データだけで選ぶのではなく、実際にサンプルを取り寄せて、官能評価(味・香り・色・粘度など)を行うことが不可欠です。自社製品に合った風味を試することで、品質面のミスマッチを防ぐことができます。

4. 添加物の有無と安全性(クリーンラベル対応)

近年は、無添加やクリーンラベルへの関心が高まり、食品表示や原材料名に配慮する企業が増えています。野菜エキスの中には、風味を補強するために食塩やうま味調味料(アミノ酸等)、保存料、着色料などを添加している製品もあるため、成分表示の確認が重要です。

健康志向商品や子ども・高齢者向け製品では、添加物の有無が購買判断に直結するため、原料段階からナチュラルな設計を志向することが求められます。

5. 認証状況

野菜エキスを使用する場合は、製造元が取得している認証も重要な判断材料です。一般的な品質・衛生管理では、ISOやHACCP、FSSC22000などがあり、工場の衛生水準やトレーサビリティ確保に直結します。

また、ハラルやコーシャ、有機JASなど特定のマーケット向け認証が必要な場合は、エキスそのものが該当認証を取得しているかを確認しましょう。

6. 供給の安定性とロットサイズ

長期的な製品展開を見据えた際、原料エキスの安定供給が可能かどうかも重要なポイントです。季節や天候による原料の変動が品質に影響する可能性も考えられます。

そのため、年間通じた供給体制や在庫管理体制を持つメーカーとの取引が推奨されます。また、最小発注ロットや納品形態、納期対応の柔軟性も確認しておくべきポイントです。

小ロット対応が可能か、大量生産に応じた価格設計があるかなど、自社の製造規模に応じた体制かどうかを見極めましょう。

まとめ

野菜エキスは、スープやソース、加工食品、調味料など、さまざまな製品の味づくりにおいて不可欠な存在です。エキスの原料や形状、製造方法、品質、安全性などによってその特性は大きく異なるため、使用目的に応じて最適な製品を選定しましょう。

また、従来の抽出工程をエキス活用に変えることで、仕込みコストを削減できる点は見逃せません。浮いたリソースを新レシピ開発や生産ライン改善に投資できるため、野菜エキスの需要は高まっています。

永和物産では、豊富なラインナップと柔軟な提案力を活かし、顧客の製品開発課題に応じた最適な野菜エキスをご提案しています。開発初期の段階からでも、お気軽にご相談ください。

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