食品の歩留まり改善とは?悪化する原因や改善の具体策まで徹底解説

食品の歩留まり改善とは?悪化する原因や改善の具体策まで徹底解説

原材料価格の高騰が続く中、製造現場における歩留まりの改善は多くの食品事業者にとって収益性に直結する避けて通れない課題ではないでしょうか。

「熟練の作業員と新人では製品の出来高が全く違う」
「毎日のように、規格外品や原料の切れ端が大量に廃棄されている」

このような課題を認識しつつも、「日々の業務に追われ、本格的な改善に着手できない」「どこから手をつければいいかわからない」と感じている担当者の方も多いかもしれません。

この記事では、歩留まりの基本的な考え方や、現場でよくある低下の原因、具体的な改善方法を紹介します。ぜひ最後までご一読いただき、貴社のコスト削減と品質向上にお役立てください。

食品の歩留まりとは?

歩留まりを改善するためにも、まずその定義や重要性、計算方法を正しく理解しておきましょう。

歩留まりの定義と意味

歩留まり(ぶどまり)とは、投入した原料の総量に対して、どれだけの製品が完成したかを示す割合のことです。製造業における、生産効率とコスト管理の根幹をなす重要な指標です。

たとえば、100kgのじゃがいもを仕入れ、皮むきやトリミングを経て、80kgのフライドポテトが完成した場合、歩留まり率は80%です。歩留まりの割合が高いほど、原料を無駄なく、効率的に製品化できているということになります。

歩留まりの計算方法と式

歩留まりは、以下の計算式で算出できます。日次や週次で追いかけ、あらかじめ設定した目標の歩留まり率と比較しましょう。

・歩留まり(%) = (使用可能量 ÷ 投入した原材料総量) × 100

ただし、この計算を意味のあるものにするには、投入した原料と完成した製品の重量を、日頃から正確に計量・記録しておくことが大前提です。感覚ではなく、正確なデータに基づいて管理することが、歩留まりを改善するために必要です。

歩留まりが悪化する主な原因

歩留まりが目標に達しない、悪化する背景には、必ず何らかの原因があります。ここでは、製造現場でよく見られる3つの原因を見ていきましょう。

原材料の状態や規格のばらつき

投入する原材料の品質が、ロットや納入日ごとに安定しないケースです。たとえば、野菜のサイズが不揃いであれば、皮むきやカット工程での廃棄部分が増えます。また、脂身や筋、余分な皮、鮮度なども歩留まりを低下させる要因です。

加工・加熱工程での重量ロス

原料の下処理だけでなく、加熱調理やその後の加工工程も、歩留まりを低下させる要因の一つです。代表的なのが、加熱による水分蒸発です。肉を焼けば肉汁が、野菜を茹でれば水分が失われ、その分だけ重量は減少します。

また、熟練度によって差が出る、手作業でのカットや盛り付け時のロスも積み重なると大きなものに。こうした一つ一つは小さなロスでも、生産量全体でみると、最終的な歩留まりを大きく悪化させているケースは少なくありません。

作業者の技量や手順のバラつき

原材料のカットやトリミングなど作業者の技量に依存する工程は、歩留まりが不安定になる大きな要因です。

「熟練のAさんと、新人のBさんとでは出来高が違う」という、作業の属人化が起きていませんか。これは、明確な作業基準がなく、各自が勘や経験に頼っている可能性があります。

誰が作業しても同じ品質・量になるよう、手順を標準化することが求められます。写真付きのマニュアルを作るなどして、全員がお手本通りに作業できる仕組みを整えましょう。

歩留まり改善の具体策

歩留まりの原因を理解したら、次は改善策の実践です。以下、具体的な改善策を見ていきましょう。

歩留まりの数値化と見える化

「なんとなく、ロスが多い気がする」という感覚的な管理では、問題点は見えてきません。歩留まり改善は、客観的なデータに基づいて行うのが鉄則です。製品ごと、ラインごとに、日々の歩留まり率を正確に記録しましょう。

記録した数値をグラフなどで見える化することで、どの工程に問題があるのか、改善すべき点がどこなのかを特定しやすくなります。

作業マニュアルの整備と標準化

作業者による技術のばらつきをなくすためには、作業の標準化が不可欠です。誰が作業しても、同じ質・量が確保できる状態を目指し、写真や図を多用した、わかりやすい作業マニュアルを作成しましょう。

原料の投入方法から、包丁の角度、カットする厚みまで、細かい基準を設けて、全員で共有・徹底することが重要です。

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加工設備やツールの見直し

加工設備やツール自体が、歩留まりの原因になっているケースもあります。たとえば、切れ味の悪いスライサーは、食材を綺麗に切れずに潰し、ロスを増やします。また、原料のサイズに設備の仕様が合っていない場合も、無駄な廃棄を増やす一因です。

刃物の定期的なメンテナンスはもちろん、今の設備は本当に最適かどうかを見直してみましょう。

原材料の見直しによる改善(商社視点)

工場内の努力だけで改善が難しい場合は、仕入れる原材料を見直すのも一つの方法です。規格が揃ったサイズの野菜や、皮むきやカットといった一次加工が済んだ加工済み原料に切り替えることで、現場での廃棄ロスと作業工程の両方を削減できる可能性があります。

信頼できる食品商社に相談し、自社の製造ラインに最適な原料を提案してもらうのも有効な手段です。

永和物産では、各事業者様の製造現場に合わせた原料のご提案を通じ、調達から工程効率までを一体で支援しています。

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品目別の歩留まり傾向と改善のヒント

歩留まり改善の具体的なアプローチは、扱う品目によって大きく異なります。ここでは、代表的な品目である「肉類」「魚類」「野菜」の3つに分け、それぞれの歩留まりの傾向と、改善のための具体的なヒントを解説します。

肉類(牛・豚・鶏)の改善ポイント

ブロック肉からスジや余分な脂肪を取り除く作業では、どうしても多くの切れ端が出てしまいます。人の手作業に頼る部分が大きいと、作業者の熟練度によって、捨てられる部分の量が変わってしまうのが悩ましいところです。

もし歩留まりが安定しないなら、あらかじめ使いやすい形にカットされた部分肉や、スライス済みの原料に切り替えるのも、非常に有効な方法です。現場でのトリミング作業そのものがなくなるため、歩留まりが安定するだけでなく、加工作業の時短にもつながります。

魚類の改善ポイント

魚は、頭や骨、内臓など可食部が限られるため、もともと歩留まりが低くなりやすく、管理の難しい食材です。一尾まるごと仕入れて加工している場合、原料の半分近くが廃棄ロスになることも珍しくありません。

改善策として、骨や頭が除去されたフィレや、冷凍切り身に切り替えることで、仕入れた分がほぼそのまま製品になるため、廃棄ロスを限りなくゼロに近づけることができます。

野菜の改善ポイント

野菜は、皮や芯、ヘタといった、調理前に除去する部分が多く、廃棄ロスが発生しやすい代表的な食材といえます。機械で一括して皮をむくと、どうしても可食部まで深く削り取ってしまいがちに。

また、季節や産地によって原料のサイズや形が不揃いなことも、歩留まりを悪化させる原因になります。

改善策としては、あらかじめ洗浄・カットされた加工済み野菜を導入するのが効果的です。

また、品種そのものを見直して、芯が小さい、可食部が多いといった歩留まりの良い品種に切り替えるのも、原料選定の段階でできる賢い改善策といえるでしょう。

まとめ

食品製造における歩留まり改善は、単なる廃棄ロスだけにとどまりません。製品の品質を安定させ、製造コストを削減し、企業の収益性に直結する重要なテーマです。

日々の数値管理や、作業工程の標準化といった、現場での改善努力はもちろん重要です。また、仕入れる原材料を見直すという、より上流の視点を持つことで、これまで諦めていた歩留まりの課題が改善される可能性があります。

永和物産では、食品商社としての知見とネットワークを活かし、調達から製造現場まで一貫した改善支援を行っております。貴社の実情に合った歩留まり改善を実現したい担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

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