肉エキスとは?種類や製造方法、選び方を食品開発担当者向けに解説

肉エキスとは?種類や製造方法、選び方を食品開発担当者向けに解説

製品の味づくりを左右する肉エキス。牛・豚・鶏などから抽出された旨味成分は、スープやソース、加工食品など、風味の核として幅広く活用されています。

しかし一口に肉エキスといっても、原料や製法、風味の違いによって特徴は多種多様です。この記事では、肉エキスの基礎知識から製造方法、活用シーン、業務用原料としての選定ポイントを紹介します。

自社製品に最適な肉エキスを選ぶための参考として、ぜひご活用ください。

肉エキスとは?

肉エキスとは、牛・豚・鶏などの肉・骨から抽出されたエキスで、食品開発に欠かせない素材の一つです。ここでは、肉エキスの概要や種類、ミートエキスや畜肉エキスとの違いを紹介します。

肉エキスの基礎知識

肉エキスとは、牛・豚・鶏といった畜肉や骨を原料に、加熱や酵素分解などの方法を用いて旨味や風味成分を抽出し、濃縮した調味素材です。

抽出法や原料によって仕上がりは異なり、香りの豊かさや旨味の強さ、濁り具合などに差が見られます。また、粉末タイプ・液状タイプ・ペーストタイプなど製品形態もさまざまです。

粉末タイプは保存性や運搬性に優れており、小ロットでも扱いやすいのが特徴です。一方、液体タイプやペーストタイプは、風味の再現性が高く、即時に使用できる利便性から業務用に多く採用されています。

肉エキスの種類

肉エキスには、主にビーフエキス、ポークエキス・チキンエキスの3種類があり、総じて肉エキスと呼びます。同じ肉エキスでも風味やコクなど異なる個性を持っており、用途に応じて使い分けることで、製品の完成度を高めることができます。

たとえば、ビーフエキスは濃厚なコク、ポークエキスはまろやかな旨味、チキンエキスはクセが少なく汎用性が高いのが特徴です。

ミートエキスや畜肉エキスとの違い

肉エキスとミートエキスは、実質的に同義語として使われることが多いですが、ミートエキスはより広範な食肉由来のエキスを指す場合もあります。

畜肉エキスは、牛・豚・羊など家畜に分類される哺乳類の肉から作られたエキスです。鶏などの家禽は含まれないケースがあります。

肉エキスの製造方法

肉エキスの製造では、加熱抽出法と酵素分解抽出法の2つが使われています。風味や抽出効率、仕上がりの粘度や味わいに影響するため、製造方法の違いを理解しておきましょう。

加熱抽出法

加熱抽出法は、原料を水と一緒に加熱し、肉や骨に含まれる旨味成分を溶出させてから濃縮する方法です。

また、加熱抽出法は「常圧抽出」と「加圧抽出」の2種類に分けられ、風味や抽出効率が異なります。

常圧抽出は、じっくりと煮込むことで穏やかな風味が得られますが、時間とコストがかかる傾向があります。加圧抽出では高温高圧下で短時間に旨味を抽出でき、濃厚な風味が得られる一方、風味の調整には注意が必要です。

酵素分解抽出法

酵素分解抽出法は、タンパク質分解酵素などを利用し、原料のタンパク質をアミノ酸やペプチドに分解し、旨味成分を効率的に引き出す方法です。

酵素の選定や反応条件の制御によって風味を調整でき、加熱抽出では得にくい奥深い旨味を引き出すことも可能です。メイラード反応によって香ばしい風味が得られることもあります。

食品開発における肉エキスの活用シーン

ここでは、肉エキスが実際の食品開発において、どのように風味向上や品質安定に貢献しているのか、具体的な活用シーンを紹介します。

1. スープ・だし・つゆ類

スープやだし、つゆのベースに肉エキスを用いることで、味に深みとコクが加わり、全体の味を引き締めます。中でもチキンエキスやポークエキスは、和風・中華風のだしに適しており、本格的な風味を手軽に表現できます。

2. ソース・たれ類

ソース・たれ類も、肉エキスの濃厚な旨味や風味を活かせる代表的な用途の一つです。焼肉のたれや煮込みソース、洋風ソースなどに深みと厚みを加えることができます。加熱耐性にも優れており、加熱工程の多い調理用途にも適しています。

3. 加工食品

レトルト食品、冷凍食品、練り物、惣菜などの加工食品も、肉エキスが活用されている例の1つです。風味を補強するだけでなく、味を均一化させるために、肉エキスが利用されています。

素材の風味が季節やロットによってばらつく場合でも、肉エキスによって安定した品質を保つことができ、製造ライン全体の効率化にも寄与します。

4. 調味料・シーズニング

粉末調味料やシーズニング、複合調味料の原料として多くの製品に肉エキスが使われています。少量でも本格的な肉の風味を再現できるため、コストパフォーマンスにも優れているのです。

また、クリーンラベル志向の高まりにより、無添加や減塩タイプのエキス製品も市場に投入されています。

業務用肉エキスの選び方

ここでは、自社の製品開発や用途に最適な肉エキスを選定するために、比較検討すべき重要なポイントを解説します。

1. 原料

どの動物由来のエキスであるか、また産地や部位を確認しましょう。たとえば、国産の鶏肉主体のエキスは、上品な味わいを付与するのに適しています。骨主体か肉主体かによっても、風味の質は異なります。

ラベルや仕様書に記載された情報をもとに、求める風味やコンセプトにあった肉エキスを選ぶことが重要です。

2. 風味・品質

風味・品質も比較検討した項目です。製品ごとに香りや旨味、コク、後味など風味は大きく異なります。サンプル評価や官能評価を通じて、自社製品が目指す味に合致するか確認が必要です。味の立ち上がりや余韻、濃厚さなど複数の視点で評価しましょう。

3. 製造方法

製造方法も、肉エキスの選定における大きな要素です。エキスの製造方法によって、風味や濁り具合、粘度が変化します。

また、食塩やアミノ酸、保存料などの添加物の有無も確認しておくと、製品設計の自由度が広がります。クリーンラベル対応が求められる場合は、無添加仕様のエキスを検討することも選択肢の一つです。

4. 安全性

肉エキスの安全性も、選定時に欠かせない項目です。ISOやFSSC22000、HACCPなどの認証取得状況を確認するほか、ハラル・コーシャなど宗教的対応の可否も事前にチェックしておくと安心です。

特に輸出を視野に入れる場合は、現地規制への適合性を踏まえた原料選定が求められます。

5. 供給の安定性

安定した供給体制が確保されているかを確認しましょう。年間を通じて安定した調達が可能かどうか、予期せぬ需給変動への対応力などを踏まえ、複数のサプライヤーや代替原料の存在も含めて総合的に判断することが重要です。

まとめ

肉エキスは、その種類や製法によって多様な風味と機能性を持ち、食品開発において重要な役割を担う素材です。

本記事で紹介した基礎知識や製造方法、活用事例、選定ポイントをふまえ、自社の目的に合った製品を選ぶことで、商品価値の向上や差別化ができるようになります。

さらに、抽出済みエキスを採用することで、原料保管・仕込み・長時間加熱に伴う費用を削減できるため、ロット変動が大きい製造現場でも原価を平準化しやすくなります。コスト削減と味の安定化を同時に実現できる点は、経営面でも大きなメリットです。

食品業界において「味」は製品価値の根幹を成します。味の再現性や供給の安定性、安全性といった視点も加味した上で、最適な肉エキスの導入を進めていきましょう。

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