RSPO認証とは?概要やメリット、選び方を食品メーカー向けに解説

RSPO認証とは?概要やメリット、選び方を食品メーカー向けに解説

RSPO認証とは、環境や人権に配慮した「持続可能なパーム油」であることを証明する国際的な認証制度です。日本でも、企業のESG経営やSDGsへの関心が高まるにつれ、対応を検討する食品メーカーが増えています。

国内外の取引先からの要求や、消費者からの信頼を得るためには、RSPO認証について理解しておきましょう。

この記事では、RSPO認証について、概要や食品メーカーが得られるメリット、失敗しない認証原料の選び方などについて分かりやすく解説します。

RSPO認証の概要

RSPO認証の取得を検討する前に、まずは基本的な意味と、RSPO認証がなぜ世界的に必要とされているのか、背景を正しく理解することが不可欠です。

RSPO認証の基本的な意味(読み方:アールエスピーオー)

RSPO認証とは、「Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)」の略称で、「アールエスピーオー認証」と読みます。

これは、環境や人権に配慮した持続可能な方法で生産されたパーム油であることを、国際的な第三者機関が証明する制度です。この認証マークが付いた製品は、環境・社会問題に配慮したものであることを、消費者や取引先に示すことができます。

RSPO認証が策定された背景

パーム油は、植物油の中で最も生産量が多く、加工食品、洗剤、化粧品など、私たちの身の回りにある様々な製品に使用されています。しかし、需要の急拡大に伴い、生産地である東南アジアなどを中心に、深刻な環境・社会問題が引き起こされています。

  • 環境問題: 原料となるアブラヤシ農園を開発するため、生物多様性の宝庫である熱帯雨林が大規模に伐採され、そこに生息するオランウータンなどの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。
  • 社会問題: 農園開発に伴う先住民族との土地を巡る紛争や、劣悪な環境下での児童労働・強制労働といった人権問題も深刻化しています。

RSPO認証は、こうした問題を引き起こすことなく、環境と社会に責任ある形で生産されたパーム油の利用を促進し、市場を変革していくことを目的として、2004年に設立されました。

RSPO認証の種類

RSPO認証は、大きく分けて2つのカテゴリーから成り立っています。

  • 農園認証: パーム油を生産する農園や搾油工場が、RSPOが定める「原則と基準(Principles and Criteria)」を遵守していることを認証するものです。
  • サプライチェーン認証: 農園から最終製品に至るまでの流通過程(搾油、精製、加工、販売など)において、認証パーム油が非認証油と混ざることなく、適切に管理されていることを証明する認証です。食品メーカーが関わるのは、主にこちらの認証となります。

特に、サプライチェーン認証には、トレーサビリティ(追跡可能性)のレベルに応じて、以下の4つの方式が存在します。

認証方式 略称 内容 トレーサビリティ
Identity Preserved IP 「この農園の油だけを使いました」 と断言できる、最も厳格な管理方法です。製品に使われている油が、どの認証農園で作られたかまで完全に追跡できます。 ◎(農園まで特定可能)
Segregated SG 「認証農園の油だけを使いました」 と断言できる管理方法です。複数の認証農園の油が混ざりますが、非認証の油とは完全に区別されます。 〇(認証農園由来)
Mass Balance MB 製造・流通過程で認証油と非認証油が混ざりますが、購入した認証油の「量」に見合った分だけ、最終製品をRSPO認証製品として販売できる方法です。 △(帳簿上のみ)
Book and Claim BC 物理的な認証油は使用せず、RSPO認証農園を支援するための「証書(クレジット)」を購入する方法です。製品そのものではなく、企業の貢献活動として認められます。 ×(物理的追跡不可)

参照:2.2. パーム油の持続可能性に関する認証システムの概要|農林水産省

食品メーカーがRSPO認証に取り組むメリット

食品メーカーがRSPO認証パーム油を導入することで、以下3つのメリットがあります。

メリット1:ESG経営・SDGsへの貢献

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視するESG経営は、今や企業価値を測る上で不可欠な指標です。

パーム油の生産が抱える熱帯雨林の保全(Environment)や、人権への配慮(Social)といった課題に対し、RSPO認証パーム油を利用することは、具体的な取り組みを客観的に示すものです。これは企業のESG評価向上に直接的に貢献します。

また、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」や、目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成にも繋がるため、貴社がサステナビリティを重視する、責任ある企業であることの明確な訴えになるでしょう。

メリット2:企業価値・ブランドイメージの向上

RSPO認証への取り組みは、企業価値・ブランドイメージの向上にも貢献します。

多くの企業が「環境に配慮しています」とアピールしますが、基準は各社でバラバラです。そのため、消費者や投資家は、どの企業の取り組みが本当に価値あるものなのか判断するのが難しいのです。

しかし、RSPO認証という国際的な共通基準を導入し、製品パッケージに認証マークを表示すれば、言語や文化に関係なく、貴社が環境や人権に配慮した責任ある企業であることが一目で伝わります。

メリット3:国内外の取引先からの要求への対応

近年、国内外の大手小売業者やグローバル企業は、サプライヤーに対して持続可能な原料調達を求める傾向を強めています。

取引契約の中で、RSPO認証パーム油の使用を条件とする企業も増えており、認証への対応は、こうした大手企業との取引を維持・拡大していく上で不可欠な要素となりつつあります。

RSPO認証に対応した食品原料の選び方

RSPO認証に対応した商品開発を成功させるためには、上流工程である原料選定の段階が重要です。ここでは、食品商社の視点から実践的な3つのポイントを解説します。

対応するサプライチェーン方式を確認する

サプライヤーへの最初の問い合わせで、まず確認すべきなのが、対応可能なサプライチェーン認証方式です。全てのサプライヤーが、IP、SG、MB全ての方式に対応しているわけではありません。

この確認を怠ると、商談が進んだ後で「求めている認証レベルの原料は扱っていなかった」という事態になりかねません。サプライヤーの公式サイトや資料で対応可能な方式を確認しておくことで、こうしたミスマッチを防げるでしょう。

認証書類の有無とトレーサビリティを確認する

RSPO認証に対応した食品原料を仕入れるうえで、サプライヤーからどのような書類を入手できるかを明らかにしておくことが重要なポイントです。普段の取引では意識しないかもしれませんが、口頭での説明だけではトレーサビリティは証明できません。

認証証明書や仕様書など必要な書類をすべて可視化することで、サプライチェーン全体での信頼性を担保でき、高い安全性を実現できます。

供給の安定性と幅広いラインナップがあるか確認する

製品開発の選択肢を広げるためには、単なるRSPO認証パーム油だけでなく、それを使用したショートニングやマーガリン、粉末油脂、MCTオイルといった、幅広い加工油脂の認証品を安定的に供給できるサプライヤーを選ぶことが望ましいです。

多様なラインナップを持つサプライヤーと連携することで、一つの窓口で様々な製品開発のニーズに応えることが可能になります。

まとめ

RSPO認証は、ESG経営への貢献や企業価値向上など、多くのメリットが期待できる取り組みです。企業のサステナビリティへの取り組みは重要な経営課題とされており、今後さらに多くの取引で持続可能な原料調達が求められていくでしょう。そのため、企業戦略の一環としても早期にRSPO認証への対応を進めていくことが大切です。

永和物産は、RSPO認証パーム油をはじめ、お客様のサステナビリティへの取り組みをサポートする多様な原料、専門的な情報を提供するパートナーです。認証原料の導入相談や、貴社の実態に合わせた提案も実施しており、持続可能な商品開発をサポートします。

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