コーシャ認証とは?食品メーカー向けにメリット・取得方法・基準を解説

コーシャ認証とは?食品メーカー向けにメリット・取得方法・基準を解説

コーシャ認証とは、製品やサービスがユダヤ教の食事規定に適合していることを証明する制度です。海外輸出だけでなく、食の安全性を重視する消費者への強力なアピールとして、日本でも関心が高まっています。

製品の付加価値を高め、新たな市場を開拓するためには、コーシャ認証への理解が不可欠です。

この記事では、コーシャ認証について、日本の食品メーカー向けに基準やメリット、認証取得の具体的なプロセス、コーシャ商品の原料選定のポイントなどを分かりやすく解説します。

コーシャ認証の基礎知識

コーシャ認証の取得を検討する前に、背景にあるユダヤ教の教えと、認証が持つ意味、混同されやすいハラール認証との違いを理解することが不可欠です。

コーシャ(Kosher)とは、ヘブライ語で「適切な」「ふさわしい」という意味を持つ言葉です。ユダヤ教の食事規定「カシュルート(Kashrut)」に基づいて、食べることが許されている「清浄な食品」のことを指します。

そして、コーシャ認証とは、食品がカシュルートの厳格な基準に従って製造・加工されていることを、第三者の専門機関が審査・証明する制度です。ユダヤ教徒の消費者は、この認証マークがあることで、安心してその製品を手に取ることができるのです。

代表的なコーシャ認証マーク

世界には数百のコーシャ認証機関が存在し、それぞれが独自の認証マークを使用しています。その中でも特に広く認知されている代表的なマークをいくつか紹介します。

これらのマークは、製品パッケージに印刷されており、消費者が一目でコーシャ製品だと認識できるようにしています。

  • OU:円の中に「U」の文字が入ったマーク。世界最大かつ最も広く認知されている認証機関です。
  • Kof-K:ヘブライ文字の「コフ(כ)」の中に「K」が入ったマーク。
  • Star-K:五芒星(星マーク)の中に「K」が入ったマーク。
  • OK Kosher:円の中に「K」の文字が入ったマーク。

コーシャとハラールの違い

どちらも宗教に基づいた食の認証制度ですが、起源と基準には明確な違いがあります。

比較表 コーシャ認証 ハラール認証
宗教 ユダヤ教 イスラム教
禁忌 豚、ウロコやヒレのない魚介類 、肉と乳製品の混合・同時摂取 豚、アルコール、イスラム法に則らない屠畜肉
認証機関 ユダヤ教のラビ(律法の専門家)が所属する機関 イスラム教の法学者が所属する機関
特徴 肉・乳製品を厳格に分離する。 豚とアルコールを厳格に禁じる。

コーシャ認証を取得するメリット

食品メーカーがコーシャ認証を取得することで、以下3つのビジネスメリットをもたらします。

1. 北米市場をはじめとする海外への販路拡大

コーシャ認証は、販路を海外へ拡大することで、国内では得られない新たな顧客層を獲得する強力な手段です。特に、世界最大級のコーシャ市場を持つ北米をターゲットにすることで、好調な販売を見込める可能性があります。

日本の高品質な食品は海外でも注目されていますが、コーシャ認証を取得することで、安全性がさらに客観的に証明され、世界中のユダヤ教徒コミュニティへ効率良くアプローチすることに繋がるでしょう。

2. 「安全・清浄」なイメージによる付加価値向上

コーシャ認証への取り組みは、社外評価の向上に繋がります。企業の食の安全に対する姿勢を、客観的な基準で示すことができるからです。

認証マークを通じて、厳格な品質管理体制を広く周知することで、「安全・清浄な製品を作る、信頼性の高い企業」というイメージを、ユダヤ教徒以外の消費者にも与えることができるでしょう。

3. 多様な食文化・アレルギーへの対応

コーシャの規定には、「パレヴェ(Pareve)」という、肉製品でも乳製品でもない食品(野菜、果物、魚、卵、穀物など)を指すカテゴリーがあります。

このパレヴェ認証を受けた製品は、乳製品を一切含まないことが保証されるため、世界的に増加しているヴィーガンやベジタリアン、乳製品アレルギーを持つ消費者からの需要にも応えることができます。

一つの認証で、多様な食文化を持つ、より幅広い顧客層にアプローチできる点は大きなメリットです。

コーシャ認証の取得方法

日本国内でコーシャ認証を取得する際の一般的な申請プロセスを、4つのステップで解説します。

認証機関の選定

認証機関を選ぶ際に重要なのは「その認証が、輸出先でどれだけの価値を持つか」です。世界には数百の認証機関が存在しますが、その信頼性や認知度は一様ではありません。

例えば、北米市場を目指すのであれば、その地域で広く信頼されている認証機関(OUやKof-Kなど)を選ぶ必要があります。自社の事業戦略を固めた上で、目的に合った認証機関を選定しましょう。

申請・書類提出

選定した認証機関に対し、製品の認証取得を申請します。この際、製品に使用する全ての原材料リストや、製造工程図、工場の衛生管理に関する資料などを提出します。原材料については、供給元や製造方法まで、詳細な情報が求められます。

工場査察(ラビによる監査)

申請後、ユダヤ教の律法の専門家である「ラビ」が、実際に製造工場を訪問し、実地監査(工場査察)を行います。

査察では、提出された書類と実際の製造現場に相違がないか、カシュルートの基準が厳格に遵守されているかが、隅々までチェックされます。監査項目は以下のとおりです。

  • 原材料の受け入れ・保管状況の確認
  • 製造ラインの清浄度、非コーシャ原料との交差汚染(コンタミネーション)リスクの有無
  • 熱処理や洗浄プロセスが基準を満たしているか
  • 従業員への教育状況

認証取得・証明書発行

工場査察に合格すると、晴れてコーシャ認証が授与され、証明書が発行されます。認証マークを製品パッケージや販促資料に表示できるようになります。

ただし、認証は一度取得すれば終わりではありません。認証を維持するためには、通常、1年ごとの更新が必要であり、定期的な監査が行われます。

コーシャ商品の原料選定のポイント

コーシャ認証を前提とした商品開発を成功させるためには、最終製品の審査だけでなく原料選定も重要です。以下で、原料選定で押さえておくべきポイントを紹介します。

1. サプライヤーのコーシャ対応体制を確認する

サプライヤーがどのようなコーシャ対応体制を持っているかをあらかじめ把握しておけば、原料選定をスムーズに進められます。

例えば「この原料の製造ラインは、非コーシャ製品と完全に分離されていますか?」といった専門的な質問に、的確に答えられるかどうかが一つの判断基準です。

また、サプライヤーによって、その知識レベルや管理体制には差があります。自社が求めるレベルのコーシャ対応が可能なサプライヤーを選ぶようにしましょう。

2. 認証済み原料を積極的に活用する

最終製品の認証取得を少しでもスムーズに進めたい場合は、認証済み原料を活用するのが良いでしょう。未認証の原料を使用する場合、由来や製造工程の安全性を、自社で遡って調査・証明する必要があります。

しかし、認証済み原料であれば、サプライヤーから証明書を入手するだけで安全性が保証されるため、複雑な審査プロセスを大幅に短縮し、不合格となるリスクを低減できます。

3. 書類(仕様書・証明書)が整備されているか確認する

コーシャ認証の取得プロセスでは、認証機関から原材料に関する追加の証明を求められることがあります。その際に、サプライヤーが必要な書類を迅速に提出できなければ、審査は滞り、最悪の場合、プロジェクト全体が頓挫しかねません。

こうしたリスクを避けるためにも、コーシャ認証の証明書や仕様書といった基本的な書類が、いつでも提出可能な状態に整備されているかを、取引開始前に必ず確認しましょう。

まとめ

コーシャ認証は、今後のグローバルな食品市場において、製品の安全性を証明し、新たな販路を開拓するための重要な要素です。導入することによって、企業のブランド価値向上や、多様な食文化への対応が可能になり、ビジネスの成長に繋がるでしょう。

ただ、コーシャ認証は厳格な基準ゆえに、取得には原材料の選定から製造工程の管理まで、専門的な知識と体制構築が必須です。

永和物産では、そのプロセスを大幅に簡略化できる、コーシャ認証取得済みの各種食品原料を取り扱っています。海外展開や高付加価値商品の開発をご検討の際は、ぜひ永和物産にお問い合わせください。

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